エッセイ『へろへろ』を読みました。
強烈な個性の著者・鹿子裕史さんが、介護施設「宅老所よりあい」を運営する、たくましく肝の座った下村恵美子さんと苦学生風の村瀬孝生さんに巻き込まれるようにして関わっていくお話。
人生なるようになる!は、なるようにするということなんだと、教わった気がしました。
本の紹介『へろへろ』
- タイトル:へろへろ
- 著者:鹿子裕史
- 出版社:筑摩書房
- 発売日:2019.03.08
福岡の街中に、毅然としてぼけた、ばあさまがいた。一人のお年寄りが、最期まで自分らしく生きるために、介護施設「よりあい」が始まる。「自分たちで自分たちの場ちゅうやつを作ったらよかっちゃろうもん!」熱くて型破り、超個性的な人々が、前代未聞の特別養護老人ホームの開設を目指し、あらゆる困難を、笑いと知恵と勇気で乗り越えていく実録痛快エッセイ。
このエッセイの魅力は、笑えない話を笑い話にしているところ
他所で見放されたお年寄りの面倒を見ることになった「宅老所よりあい」は、お年寄りの介護だけで大変なのに、運営資金をバザーやカフェを運営しながら地道に作ることになっていきます。
それだけでも、職員や世話人の苦労が忍ばれます。
それが、必要に迫られて新たな施設を建設することになり、さらに巨額な資金を集めるために奔走。
もし私が関係者だったら、こんなに笑い飛ばすことなんてできないだろうし、一目散で逃げ出しているのではないかと思いました。
体裁のよい言葉や綺麗な言葉では語れない介護施設の現実の話を読んで、何も積み上げていない自分が情けないな~とも感じましたよ。
私に足りないのは、笑い飛ばす覚悟かもしれません。
ケ・セラ・セラ
人生なんとかなる!と笑い飛ばしながら、目の前のことをこなしていく。
なるようにしていくことが肝心なんじゃないかと思いました。
私は弱気になるし、めげるし、立ち止まってしまうことが多々あります。
どうしたら、笑い飛ばすパワーが湧いてくるのかな?
きっと、仲間がいるというのが、心丈夫にするのかもしれません。
笑い合って、支え合ううちに、強さが生まれてくるのでしょう。
このエッセイからは、そんなことがうかがえましたよ。
レールの上を歩くだけが、人生じゃない
グサッと刺さったのは、ここ!
ぼけた人を邪魔にする社会は、遅かれ早かれ、ぼけない人も邪魔にし始める社会だ。用済みの役立たずとして。あるいは国力を下げる穀潰しとして。どれだけ予防に励んでも無駄だ。わたしはぼけてない、話が違うじゃないかと泣き叫んでも無駄だ。
ぼけた人だけでなく、その他の理由でも社会のレールから外れた人を排除する世の中。
生きづらいし、恐怖です。
明日は我が身なのに・・・。
でも、この流れを変えるには、おかしいと思うことは声を上げていくしかないよね。
それに、思いやることも必要。
人生のレールなんて、くそくらえ!
この本は、「人生のレールから外れてしまったな」と感じている人にオススメです。
きっと、勇気がもらえますよ。
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